幼児英語セット教材の嘘

幼児の英語では、親も一緒に楽しむのがコツ。

そもそも教材とは

教材を辞書で引くと「授業・学習に使う材料」という意味です。先生が授業をするときに使うものが教材ですね。また、子ども自身が自主学習するときに使うドリルも教材です。例えば、漢字ドリルや計算ドリルがあります。つまり、一つ一つの学習のねらいを達成するための道具が教材。教材作り、教材開発、教材研究など、いろいろな表現があります。

英語環境づくりの道具

家庭で幼児英語の教材を使って教えるのは誰でしょうか?答えはお母さんです。でも、お母さんは先生ではありません。お母さんは子どもと一緒に英語の教材を使う時間を楽しむ人です。幼児英語の教材は家庭で「英語環境」を作る道具であり、セット教材は、手軽に英語を楽しむためのパッケージ商品です。

セットで買う必要なし

幼児英語セット教材をよく見ると、余分なおもちゃがたくさん付いています。一部のおもちゃは知育玩具ですが、ぬいぐるみなどは英語学習にはなりません。どの業者も、メインの英語教育はストーリーが基本のDVD教材です。中心教材はDVD教材と英語歌CD。あとは余分なおもちゃです。幼児英語セット教材はかなりの高額商品です。それをセットで購入するとなると非常に高額です。もし、欲しければ必要最小限のものだけを購入すればいいのですが、それでもある程度の出費になります。幼児英語セット教材は、ローンを組んでまで買う必要はまったくありません。この点は、私が声を大にしてお伝えしたいことです。

幼児英語で必要な教材は二つだけ

  1. 英語歌
  2. 英語絵本

このように二つだけと書くと驚くかもしれませんが、ストーリーが基本のDVD教材は一般に販売されている幼児向きのDVDで十分です。幼児はDVDで英語を学ばず、実際の人とのコミュニケーションのなかで、言葉のやりとりをしながら自然に学びます。たいていの親たちは英語が好きになるキッカケづくりとして教材を利用できればよいと考えていますね。また、多読用の英語絵本をおすすめしますが、幼児には「読み聞かせ」や「英語絵本CDの聞き流し」のほうがよいでしょう。3つ目としてもう一つ必要なのは、英語コミュニケーションのリアルな相手です。相手は英語の先生、外国人などですが、幼児が会って実際のやりとりを行えるのが理想。英語教室、プリスクールは良い環境です。

これだけでは英検準一級は受からない

幼児英語セット教材を販売している業者のウエブサイトに販促文句として英検準一級に受かったなどと書いてあるのを読んで、私は「あれ?」と思いました。その幼児英語セット教材のメイン教材の内容をチェックしましたが、英検準一級に受かるような難しい単語も文章も載っていませんでした。ですから、その幼児英語教材だけで英検準一級に受かるとは思いません。

英検準一級、英検一級に受かっている人たちは、幼児英語の教材をキッカケに英語が好きになって外国人と物怖じせずコミュニケーションをとれるようになり、英語学習を継続していった人たちです。そして、さらに英検に受かるように、過去の問題集を解いたり単語を覚えたりして、自分なりの英検対策を立てて努力した人でしょう。

ウェブサイトは販売促進のコマーシャルの見せ方がとても上手です。コマーシャルの「キャッチ」と呼ばれるセリフは、子どもをバイリンガルにしたいと望む親の気持ちをくすぐりますね。何を信じ、何を見極めたらいいか、納得できるようによく考えて英語教育に取り組んでください。

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ABOUTこの記事をかいた人

清水 万里子

児童英語講師歴34年。教育学修士(岐阜大学)。(株)エデュシーズ代表取締役。Representative of Calgary Board of Education, Canada。2001年より、その道のプロがガイドする総合情報サイトのオールアバウト「子供の英語教育」オフィシャルガイド。現在、保育園、小学校、大学で非常勤講師。中日新聞「中日こどもウイークリー」英語学習面執筆、学校訪問記事を担当。岐阜県可児市「小学校英語コミュニケーション事業」アドバイザー。著書に「子供のための英語(金星堂)」「はじめての親子英会話(アスク出版)」「はじめての親子英会話あそび編(アスク出版)」がある。その他、共著多数。2018年ベトナムにて翻訳著書発売。All About 「子供の英語教育」オフィシャルサイトはこちら